いつの時もそう、
講演を終えた後、
決まって、
今日は伝えることができただろうか…と、
自己嫌悪に似たような気分になります。
中学生や高校生に話をする時は、
震災そのものや防災と言うより、
「今をどう生きようか…」というもの。
昨日、
新設統合4年目の中学校に招かれ、
お話をしてきました。
その夜、
数名の生徒さんの感想がpdfで届けられたのです。
それを読み、
中学生の
感受性の豊かさや
心のヒダの深さを感じたのです。
私たちが考えている以上に、
中学生の心って、
人として育っているのかもしれません。
年齢を重ねただけの大人ではなく、
心の成長としての大人に近づいている。
その感想の中から、
中3の女の子の感想を紹介します。(原文のまま)
東日本大震災の話は、今までたくさん聞いてきたし、実際に陸前高田にも行ったから、正直言ってまた同じ話を聞くだけなんだろうな、くらいに思っていた。
想像をはるかに超えた金先生のお話に私はすぐ取り込まれて聞いた。大船渡中の人たちの強さがすごく伝わってきた。何事にも一生懸命に取り組む生徒の人たちは輝いてみえた。
映像の一つに金先生が励まされたという動画があった。なぜか、泣けた。たくさんの人たちが、いろんな場所で嬉しそうにしていたのかと思うと泣けた。「小さな子供がお菓子を持ってレジに並んでいたけど、持っていたお金を募金箱に入れ、お菓子を元の場所に戻した」という話、すごく心にグッときた。この世の人が、全員この子供のようになればいいのに。なんて思った。
いまだに家族が見つかっていない人、どんな気持ちで生きているんだろう。そんな人にこれから会った時、私はどんな言葉をかけたら良いのか。
あれから9年。東日本大震災を知らない子供たちに、どう伝えていけば良いのか。やっぱり言葉で直接伝えるしかないんだろうなって思う。私は津波で何かを失った訳でも、知り合いが亡くなった訳でもないけど、あの時を生きていたことだけで、伝える義務はあると思う。
いつか誰かを感動させる、その人の心を動かせるような話のできる人間になりたい。
今、コロナで大変な思いをしている私達だからこそ、大船渡中の生徒たちのように、できることに全力で取りくんで、周りを笑顔にさせたい。悲しいのは自分達だけではないのだから、何事も全力で。
先生方が私たちを思って考え、工夫してくださることを信じて、今をかんばりたい。
体育祭とか楽しみにしていたことが、もし2学期にやることになったら、泣くほど嬉しいんだろうな…。とか、最後の金先生の話を聞いて思った。何かできることを考えたい。
「あたりまえ」をあたりまえと思ってしまう自分が悔しい。
なんか、
子どもって、すごいな…って思います。
奥州市立胆沢中学校の皆さん、
ありがとうございました。
(つぶやき)
生徒の感想の中にあった「レジに並んでいた子供が…」のことは下記の動画の中に。実は、9年前の震災直後、必死だったせいか、涙ひとつ出なかった自分でありましたが、youtubeでこの動画を見た時、溢れ出るものを止めることができなかったのです。「人ってありがたい…。」と。これはある意味、震災後の自分を支えてくれた動画なのです。